非破壊検査のメリットとデメリット
非破壊検査とは、検査対象を傷付けることなく内部状態を調査・判定する検査方法です。検査対象を破壊せずに済むので、建物・橋梁・鉄道・自動車・家電など多くの試験現場で用いられます。
非破壊検査のメリットとデメリットは以下の通りです。
非破壊検査のメリット
○作業効率とコストパフォーマンスが高い
○ヒューマンエラーが起こりにくい
○精度が高い
非破壊検査のメリットとして、以上3点が挙げられます。
作業効率とコストパフォーマンスが高い
非破壊検査は対象を損壊することなく欠陥の有無を検査できるので、作業効率とコストパフォーマンスに優れます。簡単に言えば、検査時間の短縮と経費削減を同時に成立させられる検査方法なのです。
ヒューマンエラーが起こりにくい
たとえば目視検査の場合、ヒューマンエラーの発生を抑えるのは難しいのが現実です。どれほど優秀な検査員にも、ミスはあります。非破壊検査は科学技術を活用するので人間の「手」が入る隙間が小さく、ヒューマンエラーが起こりにくいのがメリットです。
検査員の経験の差が結果に影響を及ぼすリスクを、極小に抑えられるのもメリットでしょう。
精度が高い
非破壊検査では放射線や超音波を活用するので、他の検査と比べて格段に精度が高いメリットがあります。検査結果をデジタルデータに残しやすいので、その後のフィードバックにつなげやすいのもメリットでしょう。
非破壊検査のデメリット
○検査対象が限られる場合がある
○性能に限界がある
以上2点が、非破壊検査のデメリットです。
検査対象が限られる場合がある
非破壊検査にはさまざまな手法がありますが、手法によっては検査対象が限られる場合があるのがデメリットです。たとえば、代表的な非破壊検査の一つである磁粉探傷検査の場合、磁粉を対象に散布し欠陥を探し出すので対象が金属に限られます。
性能に限界がある
放射線や超音波は欠陥の調査において非常に優秀なツールですが、決して万能ではありません。すべての欠陥を洗い出せないのがデメリットです。場合によっては、目視検査の方が正確に検査対象の欠陥を見つけるのに、適している場合もあるでしょう。
対象に応じて非破壊検査の手法を使い分ける
○放射線透過試験
○超音波探傷検査
○浸透探傷検査
○磁粉探傷検査
○赤外線検査
○渦電流探傷検査
非破壊検査には、以上のような手法があります。対象に応じてケースバイケースで、最適な手法を使い分けるとよいでしょう。